メキシコ料理の肉の種類

近所の公園の近くにラテン系のスーパーがあったのでグーグルマップで評判を調べたところ、店頭で売っているタコスやブリトーが美味しいとあったのでメニューを見てみた。メキシコ料理では肉の種類を選べることが多いが、今までいわゆるカリフォルニアでアメリカナイズされたメキシコ料理 Cal-mex 的な店しか行ったことがなかったので、ここの店にある肉の種類で知らないものが結構あった。Chicken はわかるし Carnitas と Asada 、Chorizo は定義を完璧に説明はできないがどんな感じかはなんとなくわかる。ほかは全然わからない。Tripa はトリッパ?Al Pastor と Lengua 、Cabeza は想像もつかない。

検索してみたところ日本語ではこの中の一部の種類について説明している記事はあったけど網羅的に説明しているものはなかった。英語で調べてみたらこの店にある 8 種類に 2 つ加えて 10 種類の肉があるタコスの画像が見つかった。「この中で3つ選ぶならどれ?」という質問だ。

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せっかくなのでこの画像の中にある 10 種類の肉がなんなのか調べてみることにした。今後本格的なタコス屋やメキシコ料理の店に行く人の役にきっと立つことであろう。

  • Carnitas:柔らかくなるまで煮込んで細かく裂いた豚肉。メキシカンプルドポーク。
  • Cabeza:牛の頭をまるごと煮込んだもの。この動画によると頭を丸ごと煮込んだあと、脳、目玉、頬肉、舌などを取り出し、舌の皮などを取り除いて混ぜている。Wikipedia によると調理した頭が置いてあり、目、耳、頬、舌、唇などの部位から好きなものを選んで入れてもらうとのこと。
  • Pollo:鶏肉
  • Buche:豚の内臓
  • Lengua:牛タン
  • Tripa:牛の腸
  • Asada:牛ステーキをマリネしてから焼いたもの
  • Chorizo:ソーセージの一種。メキシコ料理の Chorizo は、豚に限らず牛、鹿、鶏などで作ったものも含まれ、チリペッパーを入れるので辛い
  • Suadero:牛や豚の腹と足の間の肉の薄切り。英語で言う Flank steak、日本では「牛ささみ」と呼ばれる部位だそうだ
  • Al pastor:下味を付けた豚肉を、ドネルケバブのように薄切りにして垂直の串に重ねて刺し、あぶり焼きにしてから外側からそぎ落としたもの。ちなみに Al pastor とは羊飼い風、という意味でレバノンからの移民が持ち込んだことに由来するらしい

ちなみに上記の Reddit の投稿では Al pastor, Asada, Carnitas, Lengua あたりが人気のようだった。

アメリカ人には内臓とか牛タンなんかを味わう文化的素養がないので、カリフォルニア系メキシコ料理でおなじみ Chipotole  とか Tacobell のタコスには舌とか頭みたいな選択肢はない。基本的に牛、豚、鶏から選ぶような感じ。アメリカなので肉の代用のベジミート的なものは絶対にあるけど。そのせいでメキシコ料理がこんなに肉の部位や調理法にバリエーションのある幅の広い食文化であることをぜんぜんわかっていなかった。メキシコ料理いいな。これからもっと本格メキシコ料理を食べていきます。

そしてさらにちなみに、最初に8種類の肉を発見したラテン系スーパーのグーグルマップ上の口コミに興味深いものがあった。「この店はとても歴史が長いが、過去にメキシコ産のコカインを売ってマネーロンダリングしていて警察に調査されていたことがある」というものだ。真偽は不明だが、このスーパーは律儀にグーグルマップ上のすべての口コミに返信しており、この投稿については「わかりませんでした」的な返信をしていた。本当にコカイン売ってたのかな?もしかしたら今もこっそり売っているのかもしれない。